テニス超基礎「サーブ素振り②ファースト•フォロースルー #斉藤とならできる @takashisaitooo1009
テニスが下手でも、続けることが苦手でも、”斉藤とならできる”そんな週末を目指しています。
「最初は下手なほうがいい。」
徒然草 第百五十段
現代語訳
これから芸を身につけようとする人が、「下手くそなうちは、人に見られたら恥だ。人知れず猛特訓して上達してから芸を披露するのが格好良い」などと、よく勘違いしがちだ。こんな事を言う人が芸を身につけた例しは何一つとしてない。
まだ芸がヘッポコなうちからベテランに交ざって、バカにされたり笑い者になっても苦にすることなく、平常心で頑張っていれば才能や素質などいらない。芸の道を踏み外すことも無く、我流にもならず、時を経て、上手いのか知らないが要領だけよく、訓練をナメている者を超えて達人になるだろう。人間性も向上し、努力が報われ、無双のマイスターの称号が与えられるまでに至るわけだ。
人間国宝も、最初は下手クソだとなじられ、ボロクソなまでに屈辱を味わった。しかし、その人が芸の教えを正しく学び、尊重し、自分勝手にならなかったからこそ、重要無形文化財として称えられ、万人の師匠となった。どんな世界も同じである。
原文
能のうをつかんとする人、「よくせざらんほどは、なまじひに人に知しられじ。うちうちよく習ひ得えて、さし出いでたらんこそ、いと心にくからめ」と常に言ふめれど、かく言ふ人、一芸も習ならひ得うることなし。
未いまだ堅固けんごかたほなるより、上手の中なかに交まじりて、毀そしり笑はるゝにも恥ぢず、つれなく過ぎて嗜たしなむ人、天性てんせい、そ骨こつなけれども、道になづまず、濫りにせずして、年を送れば、堪能かんのうの嗜たしなまざるよりは、終つひに上手の位に至り、徳たけ、人に許されて、双ならびなき名を得うる事なり。
天下てんがのものの上手といへども、始めは、不堪ふかんの聞えもあり、無下の瑕瑾かきんもありき。されども、その人、道の掟おきて正ただしく、これを重くして、放埒はうらつせざれば、世の博士はかせにて、万人ばんにんの師となる事、諸道変かはるべからず。
※注釈
不堪ふかんの聞え
下手くそだという悪い噂。
無下の瑕瑾かきん
ひどすぎる屈辱。
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